すぐやる!「行動力」を高める“科学的”な方法

リハビリテーションの専門職である作業療法士が著者の本。脳と体の仕組みに基づいた日々の行動をちょっと良くする方法が詰まった良書。「すぐやる」ようにするがテーマの本だが、それ以外にも様々な行動改善のエッセンスが詰まっていて参考になる。 すぐやる!「行動力」を高める“科学的”な方法 ちなみにここでいう「すぐやる」は依頼があったらすぐ対応するといったことではなく「先送りしない」というニュアンスと理解している。 で、特にこれは応用してみたいなと思ったのは以下。 脳に入る情報を絞る 脳に余計な情報を入れないようにすることで「ついやってしまう」を止めるという話。意識を変えるのではなくそういう環境になるように行動を変えようというのがポイント。 使ったものは、もとの場所に戻す 視覚に入ったものに自動的に手を伸ばす「モデルフリーシステム」を働かせない。 作業の区切りでモニターを消す 視界に入ることで脳が判断のためにエネルギーを使ってしまうのを無くす。 テーブルの上にスマートフォンを置かない。 フィードフォワードしやすくする 脳が「次の行動」を予測できるところまで「前の行動」をし、「新しい作業の区切り」を脳に植え付けることで行動に移しやすくなるという話。ちょっと手をつけておいてみるというもの。 優秀な人を真似る 他人を真似るように脳ができているので、優秀な人(本書のテーマではすぐにやる人)が視界に入るようにするという提案。横並びになる・共同作業するのがより効果的。優秀ではない人(すぐやらない人)が目に入らないようにする。 経験的な言葉を話す 今の状況をどのように感じているかを表す「経験的な言葉」を普段から発することで脳がその気になるという話。 自分が体験したことを「感じたことや体の様子」を付け加えて雑談しておくことが大切だそう。相手の話の良し悪しをいちいち判断しがちな人はそれを止めることで自分が使ってこなかった「経験的な言葉」を学ぶ機会が得られるとのことだ。 個人的日誌で「事実・感情・発見」を書くというのに関連しているなと思った。このあたりの脳の動きについてもっと深く知りたい。 まとめ こうして自分がまずやりたいポイントだけメモとしてピックアップしてみるとどこかで聞いたことがあるのが多いなという感じになっちゃたけれど、本書内では脳の働きについてや事例などを交えて説明されているので読むことでなるほどと感じてやってみようと思えてくると思う。 「つい先送りしてしまう、やりたいことがあるのについ違うことをしてしまう」を改善したい人にお薦めの1冊。 すぐやる!「行動力」を高める“科学的”な方法 [ 読書ノート ]