人事評価における等級と評価基準について学びたくて「人事の超プロが明かす評価基準」という本を読んでみた。
人事の超プロが明かす評価基準
著者が長年人事関連の仕事をしてきた経験によると「会社が社員に求めていることはどんな会社でもほとんど同じ」だそう。本書で紹介している「45のコンピテンシー」では「新人・一人前・チーフ・課長・部長・役員」という職位クラスで求められるコンピテンシーを示しているのだけれど、なるほど自社の等級制度もかなり近そうだ。
評価する上での参考にと読んでみたけれど、評価される立場としてどう自己成長していくべきかを確認していくのにも良い本だった。
評価者/育成者視点
本書では45のコンピテンシーについて「OK な行動」「NG な行動」「チェックポイント」「推奨行動」が説明されているので、コンピテンシーを満たすスキルを持ち行動できているのかをより具体的に確認できる。それをもとに評価したり成長を促したりしていくのに活用できそうだ。
個人視点
まず「評価される人」=「影響力のある人」という点が重要。
評価される側という視点では「会社が社員に求めている普遍的な評価基準」を理解しスキルを伸ばしながら求められる行動を取っていけばきちんと評価されるわけである。
コンピテンシーに対する自己評価について漠然とふりかえって作文しがちだけれど、現在や次の等級・職位に求められるコンピテンシーを本書を参考に理解すればより客観的に書いたりアピールできそうだ。
自分の評価に不満がある人、人事評価の低い人の特徴として、上司と話し合うことが苦手で、上司を避ける傾向が見られます。
というのはきちんと向き合いたい指摘である。
4つの道
部長・役員クラスを目指さない人はどうすればいいのか、スペシャリストになりたい人はどうすれば良いのか。キャリア・ポジションについて「オペレーター(新人・一人前クラス)」「オペレーションマネージャー(チーフ・課長クラス)」「スペシャリスト」「コア(部長・役員クラス)」という選択肢があるとしている。年収重視なのか時間・自由重視なのか。等級テーブルを上がっていくこと・引き上げていくが唯一の正解ではないということをあらためて考えられた。
ここではスペシャリストもコアと同様に45のコンピテンシーすべてを獲得していることが求められるている。コアが組織成果の最大化に向かっていくのに対し、スペシャリストは専門領域について高い能力をもち社内外に影響力を与えることで個人成果の最大化をしていく。こんなイメージだ。
その他ポイントだと思ったところ
人事評価は「絶対評価」を基本にすべき。
給与に直結する人事評価の方法として360度評価は勧めない。
評語のお勧め運用「SS スペシャルすげえ!!」「S すげえ!」「A ありがとう」「B 挽回しましょう」「C かなり挽回しましょう」
会社の規模や自身の職位にかかわらず、会社で働く人は読んでおきたい1冊だ。
人事の超プロが明かす評価基準
[ 読書ノート ]